2006年度 食育プロジェクト

活動計画

今年度も、7月から「まるごと学ぼう食育講座」が開講します。12月までの計6回、いろいろな生産者の方々とかかわりながら、子供たちと食について考え、技術を身につける、おいしい、楽しい時間を考えていきます。講座内容は、

第1回 7月15日「料理はミラクルワールド~まず基本を身につけよう~」(基本編)

第2回 8月26日「野菜でパワーアップ~もりもり食べて体も心もすっきり~」(農業編)

第3回 9月23日「漁師さんを訪ねよう~とれたての魚が待ってるよ~」(漁業編)

第4回 10月21日「牛さんからの贈り物~牛乳はこんなに使える~」(酪農編)

第5回 11月25日「スーパーの仕事拝見~メニュー作りにも挑戦だ~」(流通編)

第6回 12月16日「シェフ気分でいただきます~考えたメニューを作ってみよう~」(まとめ)

と、第3回・第5回で2度の現地学習があり、内容が盛りだくさんです。

子供たちは、今年度の講座で何を学び、どのような力をつけ、「食」に対してどのような意識を持つようになってくれるのでしょうか。最後の回では、自分たちで考えたメニューを作ります。どのような素敵な料理ができるのか今からとても楽しみです。今年度も子供たちと共に、笑顔で楽しく活動していきます。ご協力よろしくお願いします。

「2006 まるごと学ぼう食育講座を終えて」

食育プロジェクトスタッフ 横田 麦穂

2006年12月、ついに今年度の食育講座の最終回が終わりました。今回作ったメニューは、前回、班のみんなで考えたもの。いつもは先生のお手本を見てから自分たちで作るという手順ですが、今回はレシピだけを頼りに今まで習ったことを思い出しながら自分たちで作りました。それぞれ班の個性が活きた料理が完成しました。自分たちで考えたメニューを作って食べ、講師の小野寺淳子先生(旅行ジャーナリスト)から高い評価をいただき、子供たちはとても満足した表情になっていました。
今年度の食育講座も、ダシの取り方、お米の研ぎ方という基本から始まりました。そして、農家さんが持ってきてくれた野菜を使った料理を作ったり、漁村を訪ねて地引き網体験とババガレイをおろすことに挑戦しました。酪農家さんが持ってきてくれた搾りたての牛乳を味わい、その牛乳を使った料理も作りました。そして、5回目では、流通を学ぶためにスーパーを見学した後、今まで習ってきたことをもとに自分たちでメニュー作りをしました。そして、最終回では、班ごとに決めたメニューを料理しました。全6回の講座で、子供たちは一段一段階段を上るように、確実に成長したと思います。また、「まるごと学ぼう食育講座」は、2006年度の(社)農山漁村文化協会主催「地域に根ざした食育コンクール」で特別賞(審査委員会奨励賞)を受賞しました。私たちの活動が評価されたのはとてもうれしいことでした。
2007年度の食育講座では、全6回の食育講座で学んだことを通して、子供たちが食生活の栄養バランスを見直し、更には家庭での料理作りができることを目指します。

食育プロジェクト活動報告(12月)

食育プロジェクトスタッフ 横田 麦穂

10月21日(土)、江別市・小林牧場の小林さんを迎えて、第4回食育講座「牛さんからの贈り物~牛乳はこんなに使える~」を行いました。作った料理は、「魚介とチキンのグラタン風」、「コーンクリームスープ」、「タマネギとキュウリのカッテージチーズ和え」の3品で、どれも牛乳や乳製品を使ったものばかり。いろんなところで牛さんのお世話になってるんだなぁと実感できました。お昼ご飯の時に、朝搾ったばかりの牛乳も飲ませて頂き、子ども達は「おいしい!いつものとは違う!」と素直な感想を口々に言っていました。午後からは、小林さんの講義を聴きました。酪農家さんの一日の仕事内容や牛乳に対する思いなどの話を、みんな一生懸命聞いていました。

11月25日(土)には、白石駅の近くのスーパーマーケット、ビッグハウスで第5回食育講座「スーパーの仕事拝見~メニュー作りにも挑戦だ~」を行いました。今回私達を受け入れてくださった、物流企業である⑭シージーシー北海道本部の方の挨拶後、さっそくお店見学に出発!まず全員でバックヤードと呼ばれる、商品が搬入され保管する場所を見せて頂きました。トラックが止まり、商品が運び込まれる所を見学している時、たまたま卵を運んできたトラックが到着し、割れやすい卵がどんな風に運ばれているのかも知ることができました。大きなトラックからおろされる卵を見て、子ども達は目を丸くしていました。バックヤードの次は、鮮魚コーナーで鮭をさばくところを見学しました。鮮やかな手さばきで、まるまる一本の鮭が見慣れた切り身の姿になる様子を子ども達は真剣に見ていました。第3回講座で自分達がさばいた時のことを思い出していたのでしょうか。ここからは、いつも一緒に調理している4~5人のグループに分かれて、米、青果、肉、魚のコーナーを見学しました。それぞれのコーナーに説明してくださる方が待っていてくれて、そこにあるものを手に取りながら丁寧に説明してくださいました。見学の後は、⑭シージーシー常務の虎谷さんからスーパーに対する熱い思いを聞かせて頂きました。内容が盛りだくさんの午前の講義でした。

お昼ご飯を挟んで、午後からは次回のメニュー作りをしました。前回宿題として考えてきたメニューをもとに、班で次回作るメニューを考えました。スタッフとしてはどんなメニューが出るのか正直不安もありましたが、子ども達は「食育講座で学んだこと」を生かしたメニューを考えていました。山際先生から習った「まごわやさしい」を守り、主菜、副菜、主食、汁物とバランスのいいメニューになりました。これまでの講座で学んだ中でできたメニュー作りだったと思います。子ども達の感想にも「初めてやったメニュー作り楽しかった!次回頑張って作る!」という声がたくさんありました。次回はついに今年度最後の講座です。いろんな意味で集大成を見せられるように頑張ります!

「第3回食育講座~漁師さんを訪ねよう・とれたての魚がまってるよ」を終えて

食育プロジェクトリーダー 山里 麻奈美

 9月23日(土)、食育プロジェクトでは、受講生と、その保護者や兄弟を含めた32名と一緒に、石崎さんの待つ日高門別に向かいました。今回は、みんなが楽しみにしていた、「地引網漁体験」の日です。天気は快晴!ますます期待が高まります。

移動のバスは、子供たちへの「お魚クイズ大会」です。知っている魚の名前を挙げる問題では、「イシダイ」や「クロゾイ」など、大人の頭でもパッと出てこないような難しい名前もありましたが、「シメサバ」や「イクラ」という珍回答もあり、車内が沸きました。

門別に着くと、さっそく地引網体験です。さっきまで、波が来るたびにキャーキャー言っていた子供たちも、真剣に網を引っ張ります。台風の影響で波が高い中、地元の青年部の方々のご協力の下、ゆっくりと、しっかりと、少しずつ網があがってきました。「地引網体験はとっても楽しかったです。力も結構必要だったけど、魚がたくさんとれてうれしかったです。カレイの赤ちゃんなどがとれて口がピクピク動いていました」「網を引くのは大変だったので、魚一匹とるのでも大変なのだなと思った。だから魚は残さず食べようと思った」。子供たちは楽しみながら、それぞれいろいろなことを感じ取ってくれました。

次は子供たちが魚を卸して調理です。まずは石崎さんが、目の前で大きなサケを卸してくださいました。サケの内臓や血が出てきても誰一人として「気持ち悪い」などとは言いませんでした。逆に興味を持ち、「心臓触りたいな」と心臓を手渡してもらっている子もいました。「ピラミット形で面白い形だ」という感想です。婦人部の方々のご指導の下、子供たちは一人一人が一尾ずつ、大きなババカレイも上手に卸しました。

調理が終わるとお待ちかねの昼食です。メニューは、海の幸でいっぱい!カレイの煮付けに石狩鍋、炭火焼きシシャモにイカ、アカハラの刺身・・・「こんなに美味しいのは食べたことがない!」とみんなおかわりをしました。「浜のお母さんたちの料理がとてもおいしかったです。魚のシェフみたいですね」「これなら一週間おかずにしても食べれると思う」と保護者の皆さん。子供たちからは、「ただおいしいから食べるというのではなく、現地の方々のお仕事の大変さ、また、大切な一匹の魚だったのだということを感じて、もっと食べたい」という感想がありました。帰りには「漁師になりたい」という男の子もいました。それだけ、子供たちにも現地の人がかっこよく、大事な存在だとうつったのだと

感じました。

今回の講座にご協力いただいた日高門別のみなさん、どうもありがとうございました。

 

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