2013年度 種プロジェクト

今年度、新しく「種プロジェクト」が発足しました。「種を制するものは市場を制す」とも言われています。経済がグローバル化し、米国の巨大種子会社「モンサント」などは世界規模で種を支配・独占しようとしています。そのような状況下で種を考えることは、北海道だけでなく日本の食の安全を確保し食料自給率の向上を目指していくためには、とても大切な課題だと認識しています。このプロジェクトでは食料の根本である「種」についてさまざま角度から学習していくことにしました。

今年は「知っておきたいタネの世界」をテーマに学習会を3回行いました。第1回は6月に酪農学園大の中原准一名誉教授が「誰がタネを制するのか」のテーマで講演し、米国を中心に遺伝子組み換え作物が急激に世界に広まっている現状を指摘しました。第2回は8月に種苗メーカー「渡辺農事」北海道営業所の安達英人所長が「いま流通している野菜のタネについて」と題し、現在流通している野菜のタネの多くが品種改良しやすい交配種の「F1」種であることなどお話しました。12月には新米やゴマ、大豆(豆腐)、クルミなど種を使った「種食(しゅしょく)」を楽しむ料理講習会を開きました。北海道有機農協の有機野菜などの食材を使い、食育講座でおなじみのフードコーディネーター・範國有紀さんに見本料理を作ってもらい、参加者は胡麻汁やゆべしなどの料理を作りました。また午後からは、同農協の渡辺克也理事と岩見沢市内で有機栽培を続ける白石農園の白石雅子さんお2人による有機農業の現状などについての対談や、オシキリ食品の遠藤一彦営業部長による大豆についての講話もあり、充実した学習会となりました。

フィールドワークとしては、9月20日に札幌市南区で無農薬、無肥料の自然栽培をしている「ファーム伊達家」に理事4人で訪問し、畑を見学しました。在来種の種にもこだわり、自家採種もしている様子を見てきました。

 

活動内容
・第1回
日時   2013年6月27日(木) 会場 札幌エルプラザ
タイトル 「誰がタネを制するのか」 中原准一・酪農学園大名誉教授
参加者 12人
・第2回
日時  2013年8月27日(火) 会場 札幌エルプラザ
タイトル 「いま流通している野菜のタネについて」 安達英人・渡辺農事北海道営業所長
参加者 13人
・第3回
日時 2013年12月8日(日) 会場 札幌エルプラザ
タイトル「種プロジェクト最期の講座は『種食(しゅしょく)』です」
参加者 26人

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