学習会 2009年

「FTAとEPAを考えよう」~FTAとEPAの検証及び北海道農業への影響について~

理事 泉屋 めぐみ

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日時;2009年10月31日
会場;かでる27

農業を取り巻く環境はますます厳しくなっています。今後も生産者には作り続けてもらえるのか。輸入農産物は何故安いのか。様々な疑問が有りますが、私たち消費者が農業生産の実情を知らな過ぎるのではないかと考えて、まずその第一歩としてFTA・EPAについての学習会を企画しました。「FTA・EPAを考えよう」と題してその検証と北海道農業への影響について、酪農学園大学環境システム学部 教授 中原 准一氏、「国際農業交渉が北海道農業に及ぼす影響と農業・農村の推進方向」と題して北海道農政部農政課政策調整グループ参事の田辺利信氏のお二人に講師をお願いしました。それぞれの立場からの具体的でわかりやすいお話をしていただきました。

FTAやEPAが必要な理由と、もうすでに10以上の国や地域とEPAを締結している事実を知りました。さらに、必要な理由も自動車や工業製品の輸出と引き換えに農産物を輸入しやすくするものと解釈したのは私だけではないと思います。EPAを締結すると、運用の仕方一つで国内の農業生産が壊滅的な影響を受けることがはっきりわかりました。とりわけ北海道の生産者への影響は大きく深刻なものです。

世界の食料需要は人口増加、所得水準の向上などで増加し一方で地球温暖化の進行、水資源の不足など食料生産は不安定です。世界的に食料確保の困難さが増していく中で、自給率を向上させることがこれからの最重要課題だと強く感じました。

参加者からは「不安で一杯になってこれからどうしたらよいのかを考えている。」「まだまだ難しくてわからないことも有るけれど、北海道産の農産物を食べたいと思った。」などの声が寄せられました。

私たちは、子どもたちや未来の子どもたちのためにも生産者が作り続けられる環境を守っていかなくてはなりません。地産地消、道産農産物を選んで食べる。FTA・EPA交渉の様子にも注目し、まわりの人たちにも知らせていくなど、自分ができることを地道に続けていこうと確認しあいました。

 

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