2003年度 生産者訪問ツアー

大地の恵みを実感しよう

五十嵐 美由紀

毎年実施している生産地交流ツアーですが、今年は「大地の恵みを実感しようツアー」と題して、 9 月 13 日 (土) に行いました。当日は、あいにくの雨模様。しかも、参加者のほとんどが自給ネットワークの会員という、今だかつてない参加状態でした。

最初の目的地は、厚田村の真野俊博さんの農場です。台風十四号の影響を受け、空模様を心配しながら出発しました。行きのバスの中で自己紹介と大豆トラストや小麦トラストの取り組み状況を、また今年立ちあがった若者中心のプロジェクトふれあい学習広場「ふれんど」が、初めて企画する会員交流会についてお話しているうちに、あっという間にしっぷの真野農場に着きました。

真野俊博さんは、厚田村のしっぷ地区で米、スイートコーン、枝豆、じゃがいも、カボチャなどの有機栽培を取り組んでいます。伺った時は、ちょうど枝豆の収穫真っ最中でした。自宅から少し離れた水田に移動し、今年の作柄についてお話を伺います。やはり、冷夏の影響で、例年であれば稲穂が垂れ、かなり色づいているはずですが、稲穂はまだ青く、実の入っていない不稔 (ふねん) 状態の稲穂が、多く見受けられました。冷夏、山からの沢水を使って、しかも有機栽培の米作りは、私たちには想像できないほど多くの苦労をされている事と思い、本当に頭が下がりました。その後、真野さんの畑で昼食用のスイートコーンを収穫し、枝豆をいただいて、同じ厚田村の長さんの農場がある古潭へ向かいました。

長良幸さんは、じゃがいも、そば、大根、アスパラガスなどの有機栽培を取り組み、北海道有機農業協同組合の設立に尽力され、現在は、組合長として活躍されています。

早速、昼食のカレーに使うじゃがいも、玉ねぎ、人参と、漬け物、サラダの材料を収穫し、参加者全員で昼食作りをしました。薪ストーブのお釜で炊いたご飯、地元の農場で生産された牛乳、取れたての新鮮野菜たち。大自然の中、長さんの蕎麦道場の囲炉裏を囲んでの昼食は、日頃の忙しさから解放された癒しの空間の中で、大地の恵みを実感する貴重な時間となりました。また、農業に対するいろいろな思いや農業談義をするうちに、今まで聞く機会の無かった自給ネット監事の黒澤信次郎さんから、「黒澤牧場物語」やサツラク農協組合長時代のお話を伺い、北海道酪農の歴史を学んだような気がしました。

周囲の山々は雨にけむり、屋根に当たる雨音を聞きながらゆっくりとした時間の流れを過ごした後、雨も小降りとなったので、もう一度、真野農場に戻り、枝豆の出荷作業を体験させてもらいました。枝豆の葉を取り、結束する作業ですが、大勢ですると、枝豆の山はあっという間に無くなります。早く行けるともっとお手伝いが出来たものをと思いました。 雨の中、参加者の少ないツアーでしたが、自然を満喫し、大地の恵みを堪能した一日でした。

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