2005年度 小麦プロジェクト

小麦は、パンやラーメンなどの麺類、ケーキやまんじゅうなどの菓子類の原料として今や私たちの食卓に欠かせないものとなっています。しかし、海外からの安価な小麦の輸入が年々増加しており、日本における小麦の自給率はわずか 10% 程度となっています。

こうした現状の中、小麦の生産量が全国一を誇る北海道の小麦に注目して、北海道に住む私達が地元の小麦のおいしさとその価値を見直し、食べ支えていこうというのが小麦トラスト運動です。生産者、製粉会社、加工メーカーは意志と技術を持って「食」を作り支え、消費者はしっかり食べ支える。生産から消費まで食に関わる全ての人たちが参加し、つくりあげていく「作り支え・食べ支え」運動なのです。地場農産物を食べ支えることは、北海道農業、さらには私達の食や暮らしを守っていくことにもつながるのです。

私達は「顔の見える」トラスト運動を今後も展開していきたいと考えています。みなさんのご参加、心よりお待ちしています。

活動計画

今年で 4 年目のトラストは、おいしい道産小麦の需要の拡大、地場農産物の「作り支え・食べ支え」運動の更なる発展を目指します。生産者、製粉会社、加工メーカー、消費者のトラストへの参加意識を高め、お互いの信頼関係をより一層強めることを目指し、活動します。アンケートを基に、会員の意見・要望を今後の活動に反映させていきます。また、製品や企画に新たなアイデアを取り入れ、内容の充実に努めます。

  • 会員、一般に向けての参加募集 (2005 年 4 月予定)
  • 産地見学交流会の実施 (江別地区)
  • 小麦粉に関する勉強会の実施
  • パン作り講習会の実施
  • 意見交換会の実施
  • ファームレターの発行 (年 2 回予定)
  • ギフトセットの発送
  • 製品発送及び小麦通信の発行 (4 カ月間、月 1 回の発送予定)

2005 年度 小麦トラスト参加のご案内

小麦は、私たちの日々の食卓に欠かせない農産物のひとつです。しかし、その大部分は海外からの輸入に依存し、自給率は 10 数パーセントしかありません。こうした現状の中、小麦トラストは全国初の試みとして 2002 年からスタートしました。参加者のみなさまの声かけにより昨年は 151 人の参加があり、少しずつではありますが着実に輪が広がっています。

4 年目を迎える今年は、新企画も加え、より充実した活動を展開していきたいと思っております。自給ネットワークの会員のみなさまにも、小麦トラストへご参加いただけると幸いに存じます。

製品について

  • 2005 年 12 月~ 2006 年 3 月の 4 ヶ月間、毎月 1 回の小麦製品の詰め合わせ (パン、ラーメン、うどん、菓子類、小麦粉等) の宅配。製品説明書付き。
  • 麺類、菓子類のギフト企画 (友人・知人へ。ご自宅用追加注文に)

生産地

江別市、美唄市

参加メーカー

  • 江別製粉 (株)
  • 江別元気トマトを発信する会
  • (株) サッポロ麺匠
  • (有) ティンカー・ベル
  • 浜塚製菓 (株)
  • 美唄高校食品システム科
  • フタバ製麺留萌工場
  • れもんベーカリー (シロクマ北海食品 (株))

参加費

  • 参加費 12,000 円
    (4 回の製品代及び道内分送料、小麦通信、農業・その他の情報発信等を含む) 。
    道外から参加の場合は、別途差額を頂きます。

申込方法

参加者氏名、連絡先、製品発送先、発送先電話番号、口数 をご記入の上、事務局宛に電話、 FAX 、郵送または Email にてお願いします。

  • Tel  090-2879-2170 (簑島)
  • Fax 011-789-8890
  • Email info@jikyuu.net
  • 郵送 〒 065-0015 札幌市東区北 15 条東 18 丁目 2-17 (有) ワードエム内 北海道食の自給ネットワーク

お問い合わせ先

  • Tel  090-2879-2170 (簑島)

後援

江別市、美唄市

小麦プロジェクト活動報告 産地見学交流ツアー報告

小麦プロジェクトリーダー 米田 香

7 月 10 日、小麦プロジェクト恒例の「産地見学交流ツアー」が行われ、今年はトラストの指定産地の一つである江別市を訪れました。参加者はスタッフを含めて 22 名。肌寒く生憎の雨模様でしたが、車内で小麦に関する○×クイズをしながら楽しい気分で向かいました。江別製粉の工場前を通り、石狩大橋を越えて江別市美原地区へ到着。生産者と石狩中部地区農業改良普及センターの渡辺博司さんが合流しました。

江別では現在、 6 種類の小麦が栽培されています。一度に多種多様な小麦を見学できるのは江別ならでは。まず、片岡弘正さんのハルユタカ (春まき (以下:春) ・初冬まき) を見学。製パン性に優れた人気の品種です。片岡さんからお話を伺った後、渡辺さんの指導で麦の手刈り体験。力は殆ど必要ないので子供達も上手に刈り取れました。また、浅緑に染まった畑をバックに記念撮影。隣接する畑には麺用のホクシン (秋まき (以下:秋)) が栽培され、実も大きく、収量が多い麦です。次に向かったのは小麦の調整を行う集荷施設。 JA 道央の小林英昭課長さんたちから作付面積や収量等、江別小麦の現状や機械の説明をお聞きしました。江別では、「幻」と言われているハルユタカと同様に、生産が難しいホロシリ (秋) も栽培されています。実は小さめですが美しい黄緑色をしていました。

見学後は美原生活改善センターへ移動。生産者の奥さん達や江別市振興課長の佐藤博道さんと 3 人の職員の方、普及センターの伴野さんが会場・調理の段取りをしていてくれ、約 50 名で昼食作り。メインはハルユタカ粉を使用した焼き餃子と水餃子です。参加者は、スタッフが準備した生地で皮作りに挑戦。ハルユタカの特質上、生地に粘りがあるため薄く伸ばすのに一苦労。生産者の皆さんも慣れない作業に悪戦苦闘していましたが、とても楽しそうでした。出来上がった餃子はもちもち感があり歯ごたえ十分。水餃子の茹で汁でスープも作りました。高橋正行さんの自慢のお米。餃子の具、サラダ、漬物用の野菜は全て地場産の新鮮朝採りです。さらにシロクマ北海食品からハルユタカとキタノカオリの 2 種類の食パンの差し入で、ボリューム満点でした。パン用の粉で作る餃子は少々難点もありましたが、手作りする楽しさやその美味しさ、道産小麦の魅力を改めて実感したのではないでしょうか。

昼食後は、渡辺さんによる小麦のミニ講座とクイズ。子供達は午前中に聞いた話をしっかり覚えていて、クイズはバッチリでした。

午後は残る 3 カ所の畑へ。片岡さんのキタノカオリ (秋) 、萩原英樹さんの春よ恋 (春) 、荻野勲さんのタクネ (秋) を見学しました。キタノカオリはパン用品種として注目されており、葉のつき方に特徴があることを教わりました。春よ恋は、実・穂共に細く、そのためか倒伏しやすいようです。醤油の原料になるタクネはきれいなオレンジ色。背が高く柔らかいので倒伏しやすいとのことでした。最後に、荻野さんから収穫したてのブロッコリーをお土産にいただき、ツアー終了となりました。

餃子作りが長引き、交流会の時間が不十分でしたが、参加者からは「充実した内容だった」「実際に畑を目の当たりにしてとても勉強になった」等の声が寄せられました。ご協力くださった江別の皆さん、本当にありがとうございました。

生産者の皆さんはまだまだ気の抜けない日々が続きます。「おいしい小麦を届けたい」という生産者の思いをしっかり受け止め、これからも道産小麦を食べ支えていきたいと思います。

今年も新製品が登場します!

小麦プロジェクトリーダー 米田 香

今年の小麦は、一時は雨不足で生育の遅れが心配されたものの、その後順調に育ち、無事収穫を終えました。 12 月からいよいよ第一回製品のお届けです。今年は、ヤーコンの天然酵母パンやかぼちゃデニッシュなど、トラスト生産地の地場農産物をふんだんに取り入れています。また、大豆トラストとのコラボレーション製品も引き続き登場。その他の新製品もぜひお楽しみに。ギフトセットは、 12 月にハルユタカ粉、ラーメンセット、手延べうどんセット、 2 月にお菓子の詰合せを発送予定です。トラスト製品は、生産者、 JA 、製粉会社、メーカーの皆さんの熱意によって生まれます。消費者はその思いをしっかり受け止め、道産小麦を食べ支えていきましょう。

9 月 9 日、小麦の学習会を江別製粉 (株) で行いました。まず工場に入り、小麦粉ができるまでの工程や少ロット生産が可能な新プラントを見学。その後は、小麦の種類等の基礎知識から道産小麦の需要まで、幅広いお話を聞かせていただき、参加者は熱心に耳を傾けていました。

10 月 27 日には、毎年恒例のパン作り講習会がありました。毎年参加しているベテランの会員さんもいて、和気あいあいと作業が進みました。「同じ思いをもった方たちが集まって一緒に活動できるのはうれしいこと」と、れもんベーカリーの越智さん。顔の見える関係を築くことの大切さを再認識しました。会員の皆さんはぜひ、こうした活動を身近な方々に伝え、運動を広げるきっかけをつくっていただきたいと思います。

小麦プロジェクト活動報告

小麦プロジェクトリーダー 米田 香

地場農産物の「作り支え・食べ支え」運動を展開する小麦トラストは今年で 4 年目。 2005 年度は 133 口の参加があり、生産者から消費者まで、食に関わるすべての人たちによって支えられています。

今年のトラスト製品発送は 12 月からスタートし、 3 月 8 日に最後の製品を無事発送の予定です。また製品発送の他、小麦の豆知識やメーカー紹介、生産者の奥様の声を載せた小麦通信、畑の様子や生産者を写真で紹介したファームレターを 2 回発行しました。

昨年から実施したギフトセットは今年も好評を得、「ハルユタカ 100% 粉 5kg」16 口、「ラーメン 12 食セット」20 口、新たに加わった「手延べうどん 6 束セット」11 口、「焼き菓子の詰め合わせ」23 口を頒布しました。道外からの注文もあり、自宅用・贈答用として多くの申し込みがありました。

3月 4 日には、生産者、メーカー、消費者が一堂に集い、意見交換会を行います。小麦のミニ講座やトラスト製品の試食もあり、楽しい一日になりそうです。会員の皆さんの意見は次年度の企画に反映させていきたいと思います。

Copyright(c) 2013 NPO法人北海道食の自給ネットワーク All Rights Reserved.