2011年度　小麦プロジェクト

「小麦プロジェクト10年を終えて」
最終年度となったトラスト事業は、3月11日（日）のトラスト関係者（生産者、製造・流通業者、消費者）が一堂に会した意見交換会と10年の想いを込めた製品と小麦通信40号目を3月21日に152名の会員の皆さんの元にお届けして、全ての事業を終了しました。
小麦トラスト発足の前年2001年に自給ネット会員有志29名により一連のシミュレーションを行いました。数回に亘る製品選択、製粉工場と小麦畑視察等の現地学習やモニター会議を重ねて2002年スタートしました。「この地域のこの生産者の指定された小麦だけを20tミル(この時まだ1tミルは開発中)で製粉する」。全量買い上げる事など不可能な組織でしたが、JAや製粉会社の両輪に支えられて、実現できた全国初の小麦トラスト運動でした。
自然界は生き物です。生きていく為の食料を長い歳月をかけ、品質改良に挑む農業試験場や農業改良普及センター、JAそして、生産者の営みがあってこそ、食料基地北海道があること学び又、消費地と生産地の距離を近づけ、顔の見える関係を築いてきました。「作り続ける生産者」がいてくれるから、私たちは安心して食べ、生きている。地元北海道の農産物を「食べ続ける」事が自給力を高める一歩であることを、トラスト参加者の皆さんからこれからも広めてくれることを確信しています。

「10年間ありがとうございました！」
2002年にスタートした小麦トラスト事業は2011年度をもって終了しました。
生産者、JA、製粉会社、メーカーそして消費者へと繋がるトラスト事業が今日を迎えられたのもこれまで支えてくださった1365人のトラスト会員の皆さんはじめ、側面から応援してくださった関係機関の皆さんのお陰と心より感謝申し上げます。ありがとうございました。プロジェクトでは最終年度の2011年を土と触れる事業として、小麦の種まきから収穫まで一連の作業体験の場を企画しました。「小麦を作ってパンとワインで乾杯を」と銘を打ち、江別のトラスト生産者萩原さんの畑（300坪）を借り、トラスト会員有志の皆さんと小麦の種まき（5月7日）から刈取り（8月13日）までを行いました。この作業を実践することで生産者の思いや労を少しだけ共有することが出来たのではと思います。日々の天気や生育期の気温･降雨、繁茂する雑草、酷使する体躯、収穫への喜びと不安など実体験しなければ分からなかった事ばかりでした。「小麦トラスト10年&収穫祭」は、12月11日（日）札幌市内のホテルクラビーサッポロにて生産者、加工業者、JA、関係機関、消費者60人を超す皆さんと一緒に、パンとワインそして清水則之調理長の道産食材を生かした素晴らしいお料理で「収穫祭&トラスト10年」を祝すことができました。12月からは2010年度参加者アンケートで人気の高かった製品やメーカーさん一押しの製品を詰め、情報紙｢小麦通信｣と共に2011年3月21日までトラスト会員さんの元にお届けしました。

2011年度小麦トラスト年間予定表

収穫祭パーティ

小麦を作ってパンとワインで乾杯を　～トラスト10年&収穫祭パーティー～

小麦トラストの最終年を飾り、小麦の種まきから収穫までの一連の作業を体験しましょう！の呼びかけに多くの会員の方が参加してくださいました。長雨と低温続きで、地温が上がらない中の種まき。それでも3ヵ月後の8月には手刈りで収穫する喜びを味わうことが出来ました。風に揺れていた小麦は残念ながら粉にすることは出来ず(詳細は別紙をお読み下さい)、「まぼろしのはるきらり」となってしまいましたが、この作業を体験し、耕作する労力や最後まで自然と向き合う厳しさを学んだ貴重な「小麦畑」でした。
幻のはるきらり収穫祭となりましたが、小麦トラスト10年の終結パーティーを華やかに開催しました。
これまでトラストに関わってくださった生産者･メーカー・JA職員・協力機関・トラストを支えてくださった会員の皆さんとともに日曜日のお昼に楽しい時間となりました。
またこの日のためにと、江別製粉の佐久間さんのご尽力で「話題の新品種はるきらり」をﾃｰﾌﾞﾙに並べることが出来ました。はるきらりを使用した数種類のパン（れもんべーかりー）と生ﾊﾟｽﾀ（三島製麺所）。そして生産者から提供頂いた食材をホテルクラビｰの料理長清水則之さんが料理してくださりました。
お料理の一例
・大根と網走産若鶏のﾊｰﾌﾞソテー　・ｶﾎﾞﾁｬのイタリｱﾝﾏﾘﾈ　　・ゆめぴりか玄米のリゾット
・玉ねぎのﾛｰｽﾄ焦がしﾊﾞﾀｰ風味　・白菜と放牧ホエー豚の自家製サルシッチャのロール他