2006 年度小麦プロジェクト

小麦プロジェクトリーダー 酒井 徹

2002年にスタートした小麦トラストは、今年で5年目を迎えます。昨年度は133口の参加となり、北海道食の自給ネットワークの活動としても軌道に乗ってきました。しかし、昨年度までプロジェクトリーダーをされていた米田さんをはじめ、今年はスタッフの顔ぶれが大きく変わりました。私もスタッフとしては今年新たに参加する1人ですが、皆さんのご協力を戴きながら、今年も良い取り組みにしていきたいと思います。

小麦は大切な食糧であるにもかかわらず、自給率がとても低い農産物です。だからこそ、生産者が作り支え、消費者が食べ支える小麦トラストは、とても重要な取り組みです。しかし、ご承知のように、小麦は収穫してそのまま食べることはほとんどなく、粉にしてからパンや麺やお菓子などにして食べることが多いので、このトラストが成り立つためには多くの方々の協力が必要です。実際、このトラストは小麦の生産者をはじめ、地域の農協、製粉会社、小麦製品のメーカー、産地の役場、農業改良普及センター、消費者と、様々な方の協力で成り立っています。今年は、そうした意義も再確認しながら、美味しく楽しい活動にしていきたいと考えています。また、トラスト製品の内容もこれまでのアンケートを参考にしながら、メーカーの方々と一緒に、より魅力のあるものにしたいと考えています。道産小麦と天然酵母でつくるパン屋さんも新たに加わる予定です。

今年の産地見学交流ツアーは7月に美唄市を訪問します。例年よりも生産者と消費者の交流を重視したツアーにしたいと考えています。また、今年は新企画として小麦料理コンテストを計画しています。全道のみならず、世界各国の美味しい小麦料理が登場する予定ですので皆さんも是非ご参加下さい。

 

活動計画

今年で 4 年目のトラストは、おいしい道産小麦の需要の拡大、地場農産物の「作り支え・食べ支え」運動の更なる発展を目指します。生産者、製粉会社、加工メーカー、消費者のトラストへの参加意識を高め、お互いの信頼関係をより一層強めることを目指し、活動します。アンケートを基に、会員の意見・要望を今後の活動に反映させていきます。また、製品や企画に新たなアイデアを取り入れ、内容の充実に努めます。

  • 5月~6月 トラスト会員の募集
  • 6月 ファームレター第1号の発行
  • 7月 産地見学交流ツアー(美唄市)
  • 8月 ファームレター第2号の発行
  • 10月 パンづくり講習会
  • 11月 小麦料理コンテスト
  • 12月~3月 トラスト製品、通信の発送
  • 3月 意見交換会

過去の活動計画と活動報告

2006 年度 小麦トラスト参加のご案内

小麦は、私たちの日々の食卓に欠かせない農産物のひとつです。しかし、その大部分は海外からの輸入に依存し、自給率は 10 数パーセントしかありません。こうした現状の中、小麦トラストは全国初の試みとして 2002 年からスタートしました。参加者のみなさまの声かけにより少しずつではありますが着実に輪が広がっています。

5 年目を迎える今年は、新企画も加え、より充実した活動を展開していきたいと思っております。自給ネットワークの会員のみなさまにも、小麦トラストへご参加いただけると幸いに存じます。

 

製品について

  • 2006年 12 月~ 2007 年 3 月の 4 ヶ月間、毎月 1 回の小麦製品の詰め合わせ (パン、ラーメン、うどん、菓子類、小麦粉等) の宅配。製品説明書付き。
  • 麺類、菓子類のギフト企画 (友人・知人へ。ご自宅用追加注文に)

生産地

江別市、美唄市

参加費

  • 参加費 12,000 円
    (4 回の製品代及び道内分送料、小麦通信、農業・その他の情報発信等を含む) 。
    道外から参加の場合は、別途差額を頂きます。

申込方法

参加者氏名、連絡先、製品発送先、発送先電話番号、口数 をご記入の上、事務局宛に電話、 FAX 、郵送または Email にてお願いします。

  • Tel  090-2879-2170 (簑島)
  • Fax 011-789-8890
  • Email info@jikyuu.net
  • 郵送 〒 065-0015 札幌市東区北 15 条東 18 丁目 2-17 (有) ワードエム内 北海道食の自給ネットワーク

お問い合わせ先

  • Tel  090-2879-2170 (簑島)

 「今年の小麦トラストはいかがでしたか?」

小麦プロジェクトリーダー 酒井 徹

  今年度の小麦トラストも、3月10日に会員、生産者、加工メーカーを交えた意見交換会を実施し、14日には今年度最後の製品発送を終えました。
前回の会報(12月)で報告した後の活動は、製品発送が中心となりました。1月の製品では、れもんベーカリーの「リンゴとさつまいものデニッシュ」とティンカー・ベルの「フィナンシェ」が特に好評でした。2月の製品では、れもんベーカリーの「酵母クロワッサン」と浜塚製菓の「揚げかりんとう」が昨年より美味しくなったとの声が届いています。そしてこの会報が届く頃には、小麦トラストの会員のお手元に3月の製品が届いていることでしょう。今月は、れもんベーカリーの「天然酵母あんぱん」、ティンカー・ベルの「ガトーオホーツク」、フタバ製麺の「手延べそうめん」などの人気製品に加え、「ピザクラスト」と「ピザソース」と薄力粉、そして新たにベーカリー・パオンの「ガーリックパン」と、れもんベーカリーの「あすなろ牛乳食パン」が入っています。
今年度の活動は、生産者、製粉会社、加工メーカー、消費者の参加意識を高め、地場農産物の「作り支え・食べ支え」運動を更に発展させることを目指して進めてきました。関係者のご協力とともにスタッフにも恵まれ、参加者は過去最高の151名となり、恒例の産地見学交流ツアーやパン作り講習会に加え、「小麦フェスタ2006in江別」への参加や「小麦料理コンテスト」も行うことができました。ファームレターも親しみやすく好評でした。
ただ、ギフトセットは申込みが少なく、来年度の課題となりました。
来年度も良い製品をお届けするとともに、参加者皆が「地場小麦の作り支え・食べ支え」や「生産者と消費者の距離を縮める」といったトラスト活動の意義を共有できるように活動していきたいと思いますので、ご参加とご支援をよろしくお願いします。

小麦トラスト1月商品詰め合わせ
小麦トラスト2月商品詰め合わせ

 

小麦プロジェクト活動報告(12月)

小麦プロジェクトリーダー 酒井 徹

今年の小麦は、春からの病気や天候不順で生育が心配されましたが、生産 者の皆さんのおかげで8月に無事収穫を終えました。トラスト会員はその後もじわじわと増えて、現在150名を超えました。

さて、この秋は小麦プロジェクトの催しがいろいろ行なわれました。10月14日には、江別市民会館で開催された「小麦フェスタ2006in江別」に参加し、私たちスタッフもブースを設けて小麦トラストの紹介をしました。10月26日には、れもんベーカリーで恒例の「パン作り教室」を、11月11日には、札幌エルプラザで、初企画「小麦料理コンテスト」を開催しました。 コンテストには次の7組のエントリーがありました。中国の留学生劉(りゅう)さんの「本場中国の家庭の手作り餃子」、オーストラリアの留学生サンギータさんの「カッテージチーズ入りフルーツパン」、モンゴルの留学生マイツェツェグさんの「肉饅頭『ボーズ』」、会員の堤さんの「かぼちゃのクイックブレッド&醤油味のマフィン」、同じく会員の上野さんの「不揃いの手打ちパスタ・みーそソース」、農業改良普及員、島さんの「手打ちうどん」、小麦プロジェクトスタッフ越山さんの「フランス仕込みのキッシュ」です。当日は約30名のトラスト会員が参加し、選手の7名に教わりながら皆で料理を作りました。審査員は江別製粉の安孫子建夫社長、名寄市立大学の三島徳三教授、旅行ジャーナリストの小野寺淳子さんにお願いし、審査の結果、上野さんの作品が優勝しました。これは、道産小麦のパスタを大豆と味噌のソースで戴くもので、味もさることながら見た目も美しく、自給ネットワークの活動趣旨にも合っているという評価でした。他のどの料理も審査員が順位を付けるのに困るほど美味しく、審査の後は参加者全員がお腹一杯試食し、小麦のクイズも行なわれるなど、大変満足度の高い一日でした。

 

そして、いよいよ今月からトラスト製品の発送となります。今月は、今年新参加メーカーの「パオン」さんのトマトパン、昨年も好評だった美唄高校のどら焼き・とら焼き、オホーツクの塩を使ったサッポロ麺匠の塩ラーメン、江別製粉の薄力粉(美唄市峰延産ホクシン100%)、そして、れもんベーカリーの全粒粉食パンと多くの方が楽しみにしているミニシュトーレンです。楽しみですね。来年はもっと会員が増えてしまいそうです。

 

 小麦プロジェクト活動報告 産地見学交流ツアー報告

「生産者の心がこもったおもてなしに感動」

小麦プロジェクトスタッフ 平野 睦美

 毎年好評の小麦トラスト産地見学交流ツアー。3回目となる今年度は美唄市峰延を訪問しました。7月8日(土)、この日参加したのは、生産者、メーカー、JAみねのぶ、普及センター、峰延中学校の教頭先生、トラスト会員、スタッフの総勢52名です。今年は春先から雪解けが遅れ、7月は低温、8月になると猛暑…という天候に小麦達は大丈夫なのだろうかと心配してしまった程。それでも必死に育っている小麦達と、同じく懸命に育てている生産者の姿に会ってきました。

朝8時。札幌を出発したバスは一路美唄市へ。車中ではスタッフが作成したクイズ(スタッフが深夜まで作った力作なのでした(涙))をして楽しみました。

峰延に到着後、生産者の方とご挨拶。早速、トラスト生産者森川和徳さんの小麦畑を見学しました。まだ色づいてはいなかったのですが、きれいな緑色をしていました。「これが大切に育てられた小麦かぁ~」。私達消費者に製品として届けられるものがこうして目の前にあると、生産者の方の育て方と同様に大切に食べなくてはと実感しました。

お昼は峰延中学校で生産者の奥様達と合流。5班に分かれてのすいとん作りは和気あいあいとしていてとても充実した時間でした。すいとんなのか、はたまた餃子の皮なのかわからない位の大きさのものもありました。メニューは、ごはん3種(えんどう豆・発芽大豆・小豆)、サラダ、すいとん、ハーブティー(レモンバーム・カモミール)、黒豆茶、漬物(本当にどれも美味しかった!)で、えんどう豆が苦手な私もこのご飯はとても美味しくいただきました。きっとこの味はここでしか食べられない価値のあるものだと思いました。

昼食後、場所を移動して生産機械を披露してもらいました。実際に機械が動いている様子は迫力満点!機械を巧みに操る生産者の方々は本来の姿というべきか、すごくかっこよく見えました。帰りは美唄のハーブ米とそうめんのお土産までいただき、もりだくさんのツアーとなりました。

今回のツアーは、それぞれ心に残ったものになったのではないでしょうか。これも、農繁期に関わらず協力していただいた生産者の方々のお陰です。どうもありがとうございました。すぐそこにある食べものだけを見て全てを評価するのではなく、前段階にあるものを見つめることによって気づくこともあると思います。ツアーを通し、生産者と消費者の間を縮めることが、意識の変化に繋がる大きな役割を果たすのだと感じました。

 

 

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