2001年度 大豆プロジェクト

大豆トラストを通じて「農業」を伝える取り組み

プロジェクトリーダー 五十嵐 美由紀

今年で 2 年目となる大豆トラストですが、おかげさまで昨年を上回る 174 口 (大豆 384kg) 、 72 名 (会員 13 名、前年度参加者 20 名、新規参加者 39 名) の方からお申し込みをいただきました。 (前年度 152 ・ 5 口、大豆 305kg76 名) まだ、未入金の方がいるため、最終的には多少数字が動く可能性はありますが、当初予想していた近隣市町村でのトラストの影響を受けながらも、昨年同様の結果を得ることができました。

大豆の生育については、 5 月、 6 月の干ばつ、 7 月の長雨等、今年も大豆にとっては厳しい状況の中、生産者である松下代表の努力と、トラスト参加者、関係者の想いが通じ、大豆は元気に生育しています。トラスト参加者には、八月上旬に大豆畑のカラー写真と松下代表の手書きメッセージを載せて、ファームレターを発送しました。また、遺伝子組み換え作物についての資料と、八月二十五日に実施する「トラスト畑の見学と交流会のご案内」も同封し、少しでも農業の現状や遺伝子組み換えの問題などを伝えて行こうと思っています。

プロジェクトのメンバーは、現在「トラスト畑の見学と交流会」に向けて、準備中です。大豆畑の見学、バーベキューを囲んで生産者との交流。大豆ごはん、大豆マヨネーズ、大豆のどん等を味わっていただき、大豆の活用についても提案していきます。また、松下代表の地元生産者の方々の協力をいただきながら、旬の野菜即売会等も計画しています。とにかく、「楽しく、おいしく、農業のことも解ってためになる。」そんな交流会にしたいと、メンバー一同がんばっています。

「トラスト畑見学・交流会」報告

プロジェクトスタッフ 清水 のり子

8 月 25 日、夏の終わりのやさしい日差しを浴びて、スタッフ含め 13 名がトラスト畑見学と交流会に参加しました。食の自給ネットワーク代表の松下博樹氏経営する農場では緑一面に広がる大豆畑に感動し、松下氏から大豆の生育状況の説明を聞き、これから晩秋まで一粒の大豆にするまで大事に目配り、気配り、気象条件に左右されながら収穫までの生産者の惜しみない努力によって、美味しい道産大豆ができることを直接感じることが出来ました。

そして秋の大豆の料理講習会に、この大地で育った大豆を使える楽しみがあり、生産した大豆が形を変えていろいろな食品となっていく喜びを期待しながら、参加者と大豆畑を背景に記念写真をとりました。

そのあと昼食の場所である町内会館へと移動しました。

途中、親子で参加された虫博士の川村平太君は、道端の昆虫に夢中になり、カタツムリの種類の説明をスタッフにしてくれました。昼食は大豆を使った大豆ご飯や採れたて野菜を使った大豆マヨネーズサラダ、焼肉に舌鼓を打ち、とくに大豆ごはんがとても好評でした。

食事のあとは参加者の自己紹介をして、生産者である松下さんと共に北海道の農業の現状や食文化の話へと会話が弾みました。参加された金子さんから、「さまざまな食を取り巻く現状に、もっと多くの方が目を向けていく事はとても大切だと思います。」とコメントをいただきました。

和気あいあいしているうちに、あっという間に時間が過ぎ、名残惜しみながら現地解散になりましたが、太陽の下で郊外のきれいな空気と遺伝子組み換えの無い大豆料理を食べてパワーがつき、健康になったような気がしました。

大豆料理講習会報告

ロジェクトリーダー 五十嵐 美由紀

2002 年度、大豆トラストを進めていく中で問題点が見えてきました。若い人がトラストに参加出来ないのは、大豆料理の仕方がわからないからではないか、という事です。今年度のプロジェクトは、道産大豆を日常の家庭料理の一品として食卓に登場させるために、大豆料理の講習会を開く事にしました。

新豆の大豆が手許に届いた 11 月 10 日 (土) 、手稲区生涯学習センター『ちえりあ』の家庭科室は 24 名の参加者が集いました。実際には、新聞掲載の影響もあって二倍を超す参加希望がありました。

講師は、プロジェクトチームの清水のり子さん。一晩水につけた煮大豆を使って、梅干の酸味がおいしい大豆ご飯、箸休めにもなるゴボウ入り味噌大豆、さらに高野豆腐の挟み煮、玉ねぎ。と人参のスープ煮と煮大豆をミキサーにかけたポタージュ、豆乳を絞った後のおからなど。一つの材料でバリエーションを変えた料理の数々に二十代から七十代までの参加者は大豆料理に自信が持てたようでした。食後は、遺伝子組み換え作物や道産大豆の現状について参加者と話が出来た事は大きな収穫でした。まず、会員から「大豆会席」に是非挑戦してみてください。

一年を振り返って

プロジェクトリーダー 五十嵐 美由紀

2 年目の大豆トラストの参加者は、 77 名 195 口でした。これは、今年度より始まった石狩管内でのトラスト運動の影響もありました。しかし、停滞した参加者数に比べ、友人、兄弟、家族に対する贈り物として味噌加工の希望は、昨年の 2 倍以上の伸びでした。

大豆畑のカラー写真と、生産者手書きメッセージのファームレターは今年も好評で、消費者と生産者の距離を近づける良い方法と思います。

ファームレターの他にも、遺伝子組み換え情報を三回届けましたが、もっと内容を深めた農業情報提供の必要性を感じました。

大豆料理講習会は、定員を超す応募がありましたが、残念な事にトラスト参加者は三名と少数でした。しかし一般の人達も含め大豆に対する関心の高さがうかがえる企画でした。

11 月には大豆発送をプロジェクトメンバーで行いました。 40 口の味噌加工は今年度も会員の岩見沢市の井上農園さんに委託してあります。三月下旬には直送されます。

加工流通業者との意見交換は、残念ですが来年度に先送りします。今後も地味ながらも着実に足跡を残し、活動していきたいと思います。

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